I-ne、毛髪ダメージの根本的な改善と強度を向上する 世界初*、次世代型ボンディングコンプレックスを開発
株式会社I-ne(本社:大阪市中央区、代表取締役:大西洋平 証券コード:4933 以下I-ne)は、毛髪内部の結合構造に対して多面的にアプローチする「次世代型ボンディングコンプレックス」を新たに開発しました。
この新技術は、①髪のケラチンと同構造の疑似ヒトケラチン配合による毛髪内部の主要なタンパク質構造全体との結合形成、②ジマレイン酸によるケラチンタンパク質中の新たな結合形成、③グアニルシステインによるSS結合の強化という3つのアプローチを統合。これにより、従来技術と比較して毛髪強度を大幅に向上させることに成功しました。本技術により、ヘアケア製品において毛髪のダメージの根本的な改善と強度の向上が期待されます。
I-neは今後も美容習慣の質を高めるための新知見・技術の探究を行い、Chain of Happinessの実現に向け邁進してまいります。
開発の背景
現代社会において、カラーリングやパーマ、ヘアアイロンなどの熱処理による髪へのダメージは深刻な美容課題となっています。これらの髪の悩みの本質は、毛髪内部のタンパク質構造の変性や結合の切断にあります。毛髪の強度は主に「①ケラチンタンパク質の立体構造」「②SS結合(ジスルフィド結合)」「③水素結合」等の複合的な結合によって支えられています。
しかし、従来のヘアケア製品は、これらのうち単一の結合にのみアプローチするものや、表面的なコーティングに留まるものがほとんどでした。これは、性質の異なる複数の補修成分を、反応性を保ったまま一つの処方に安定配合し、かつ毛髪内部の深層まで同時に浸透させることが技術的に極めて困難だったためです。この課題に対し、当社は毛髪内部の結合構造へ多面的にアプローチする新技術の開発に着手しました。
新技術の内容
当社が開発した次世代型ボンディングコンプレックスは、役割の異なる3種類の成分を組み合わせた世界初*の革新的な技術です。これらの成分が毛髪内部で多面的に作用し、ダメージにより失われた結合を複合的に再構築します。
■3成分による多面的アプローチ
1.疑似ヒトケラチン:【構造補填と足場作り】
ヒト毛髪ケラチンと同じアミノ酸配列を持つため、髪への親和性に優れ、コルテックス深部まで浸透して内部構造を補填します。この成分が内部で強固な足場として定着することで、他の有効成分の働きを最大化させます。他の成分の定着を助ける足場として機能します。
2.ジマレイン酸:【繊維組織の再架橋とダメージ修復】
低分子構造により毛髪内部へ容易に浸透し、損傷したケラチンタンパク質を再架橋します。繊維組織を強化するとともに、さらなるダメージの要因となるシステイン酸の発生を抑制します。
3.グアニルシステイン:【新たな架橋形成と柔軟性の両立】
成分のプラス荷電部分が、ダメージ毛に存在するシステイン酸基などのマイナス荷電部分とイオン結合を形成し、内部の架橋として作用します。
【評価方法】
以下①~⑤について、それぞれ毛髪強度試験・ダメージ修復機能観察2点の評価を実施しました。
① 未処理
② ジマレイン酸
③ グアニルシステイン
➃ 疑似ヒトケラチン
⑤ 次世代ボンディングコンプレックス (②③④の組み合わせ)
1.毛髪強度試験
ダメージを与えた毛髪束に本コンプレックスおよび各構成単独成分を処理し、引張強度を測定
2.ダメージ修復機能観察
本コンプレックスおよび各構成成分処理前後の毛髪表面のキューティクルの状態を走査電子顕微鏡(SEM)で観察
【評価結果】
毛髪強度:コンプレックス成分の処理(⑤)により、未処理・成分単独処理(①~④)に比べ強度の向上が確認されました(図1)
毛髪表面:コンプレックス成分の処理(⑤)により、未処理・成分単独処理(①~④)に比べ、より整ったキューティクルの配列が確認されました(図2)
(図1)引張強度の試験結果

図1 各試験液(①未処理、②〜④各原材料0.06%、⑤コンプレックス成分[②〜④の原材料を各0.02%])に毛髪を一定時間浸漬後、水溶液を洗い流し、引張試験機を用いて引張強度を測定。グラフは、浸漬前に対する浸漬後の引張強度の変化率(n=6、*:p<0.05、** : p<0.01 )。
(図2)SEM画像データ

図2 ダメージ毛を原料の2%水溶液に一定時間浸漬後、サンプル液を洗い流しドライ。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、毛髪表面(1000倍)を観察
【総括】
本技術の最大の特長は、従来の単一成分による限定的な修復とは異なり、コンプレックス化された成分が毛髪内部の複数の結合に対して「多面的に」アプローチする点にあります。この次世代型ボンディングコンプレックスにより、単体成分での処理を上回る毛髪強度の向上およびダメージ修復が確認されたことから、特に深刻なダメージによる「切れ毛・枝毛」に対して顕著な改善効果を示すことが示唆されました。
* 加水分解合成遺伝子組換(トリペプチド-137ヘキサペプチド-40合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-184合成ヒト遺伝子組換ポリペプチド-146)、ジマレイン酸プロピレンジアンモニウム、アミジノシステインの成分組み合わせが世界初。(先行技術調査およびMintel GNPDを活用した自社調べ 2025年10月)
用語説明
ケラチン
毛髪の主要構成タンパク質で、強度と柔軟性を担います。ダメージにより変性・流出することで髪質が変化します。
SS結合(ジスルフィド結合)
毛髪タンパク質間を強固に結びつける共有結合であり、パーマやカラーリングによって切断されることが多く、髪の強度低下の主要因となります。
疑似ヒトケラチン
加水分解合成遺伝子組換ポリペプチド複合体です。ヒト毛髪ケラチンと同じアミノ酸配列を持つように人工的に設計されており、髪のダメージ部位に高い親和性で作用・吸着して失われた構造を補填します。さらに、他の有効成分の足場として機能することで、浸透性を最大化させます。
ジマレイン酸
サロンの酸熱トリートメントでも使用される高機能成分です。熱活性化によって毛髪内部に新たな共有結合を形成し、熱処理などによる深刻なダメージから髪を保護する安定した構造を構築します。
グアニルシステイン
システインのアミノ基にグアニジノ基を導入した革新的な化合物です。システイン残基に直接作用して切断されたSS結合を再構築し、強固な新規結合を形成します。これにより、毛髪本来の柔軟性を維持しながら、強度を大幅に向上させることが可能となります。