ENVIRONMENT 環境
事業活動における、あらゆる場面の環境負荷低減に努めます
環境理念
わたしたちI-neグループは、MISSION に『We are Social Beauty Innovators for Chain of Happiness』を掲げています。その中のひとつ、「社会・地球」と描くChain of Happinessを以下のように言語化しています。
「社会・地球」と描く
Chain of Happinessわたしたちが Chain of Happiness を最大化する背景で、世界の人々や地球環境にとっての負荷を生み出すことはあってはなりません。
時代と共に変化する実態把握に努め、その現実に目を背けず立ち向かいます。
サステナブルな商品開発、寄付や社員のボランティアをはじめとした社会貢献活動、そしてブランドを通した様々な課題の啓蒙など、持続可能な世界を目指し、I-neは直接的にも間接的にもポジティブな連鎖を生む存在であり続けます。
当社グループは、MISSIONの実現に向けて、事業活動におけるあらゆる場面の環境負荷低減に努めます。本ポリシーは、I-neグループだけの取り組みでは実現できません。MISSIONを追求するパートナーであるお取引先様にも賛同いただけるよう働きかけを推進します。商品開発、調達、製造、物流、販売活動、商品利用及び廃棄までのプロダクトのライフサイクル全体を通して、地球環境の負荷をコントロールし、持続可能な社会・環境の実現を目指します。
環境理念・環境ポリシー
気候変動対策
I-neグループは、気候変動問題が地球規模の課題であり、事業においても影響を及ぼす大きな問題であると捉え、「カーボンニュートラルの実現」を重要課題(マテリアリティ)の一つに掲げており、2025年までにScope1、2のカーボンニュートラルを目指します。
2024年のGHG排出量*のうち、Scope1である自社の直接的なCO₂排出量はゼロを達成しました。また、Scope2である自社が購入して使用した電力及び、都市ガス由来の熱の使用に伴う間接的なCO₂排出量は、東京支店は2022年11月に、大阪本社は2024年9月に実質的に再生可能エネルギー由来の電力の購入に切り替えを完了しました。その他拠点における電力に対しては、トラッキング付きFIT非化石証書により、電力に係る CO₂排出量を実質排出量ゼロにいたしました。
しかし当社では、自社から排出されるGHGであるScope1、2よりも、その他間接排出量のScope3が90%以上を占めています。脱炭素経営に向けたアクションを進めるため、2040年Scope3を含めたカーボンニュートラルの実現を目標に取り組みを進めて参ります。
この目標の達成は当社だけの取り組みでは決して実現できないため、ビジネスパートナーにも賛同いただけるよう働きかけを推進し、事業活動を通じて排出される温室効果ガス、特にCO₂排出量の把握と削減に取り組みます。
*2024年 Scope1、Scope2算定対象範囲:株式会社I-ne、株式会社Dr.SYUWAN、艾恩伊(上海)化粧品有限公司、株式会社Endeavour
ESGデータ(GHG排出量)
デコ活応援団への参画・デコ活宣言の実施
I-neグループでは、2025年2月に環境省主催の「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)応援団」に参画し、同時に「デコ活宣言」も行いました。カーボンニュートラルの実現に向けてデコ活の枠組みを活用し、他社・他団体と協働しながら脱炭素に向けた取り組みと啓蒙に努めていきます。

デコ活については以下のURLをご参照ください。
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/
カーボンフットプリント算定の取り組み
当社は、2024年度に環境省が実施する「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参画し、ボタニスト ボタニカルシャンプー モイストのボトル製品と詰替えパウチ製品を対象に、カーボンフットプリント(以下、CFP)を算定しました。CFPとは、製品・サービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通した温室効果ガス排出量を、CO₂排出量として換算した値のことです。算定結果としては、お客様の温水シャワー使用による「使用」段階の温室効果ガス排出量が9割以上を占めていること、ボトル製品と詰め替えパウチ製品を比較すると、「廃棄・リサイクル」段階では温室効果ガスの排出量が79%削減できることがわかりました。また、製品のライフサイクルの各段階での温室効果ガス排出量を可視化することで、具体的な改善点が明らかになり、削減への取り組みの大きな一歩となりました。今後、他の製品のCFP算定を進めていくとともに、温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。

ボタニスト ボタニカルシャンプー モイスト
カーボンフットプリント算定報告書
CDPへの取り組み
2024年よりCDP*からの質問書を通じて情報開示の取り組みを開始しました。気候変動分野に対する質問書に初めて回答し、2024年度「B」スコアを取得しました。
I-neグループは、マテリアリティ目標のひとつとして「2040年カーボンニュートラルの実現」を掲げており、この目標の達成に向けて、今後も積極的な気候変動対策と、その情報開示に取り組んでいきます。
*CDP 2000年に英国で設立された国際的な環境非営利団体(NGO)で、投資家、企業、自治体に対して、それぞれの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。CDPの目的は「人々と地球にとって健全で豊かな経済を実現すること」であり、環境に与える影響に関する情報開示を促すことにより、環境対策への推進力強化のための活動を主としています。
CDPでは取り組み状況を8段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)で評価しており、「B」スコアは「マネジメントレベル」の評価を示すものです。
CDPが収集した情報は、世界中の投資家や企業、政策決定者の意思決定に大きな影響を及ぼしています。

TCFD提言に基づく開示
I-neグループでは、2023年10月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明しました。I-neの気候変動のリスクと機会を認識し、成長機会とリスク低減・予防のためにTCFD提言の枠組みを活用し、積極的な情報開示に努めていきます。
TCFD
生物多様性への取り組み
当社グループは、生物多様性保全が事業活動の継続および持続可能な社会づくりに不可欠であると認識しています。事業活動に伴う環境負荷や気候変動の環境問題が将来的に事業に影響を及ぼす可能性があり、商品の環境対応、廃棄物の削減、再生紙や認証紙の使用、森林保全の取り組みを進めています。
また、サプライチェーンにおいては「I-neグループ サプライヤー行動規範」同意書にて環境負荷に関する確認および情報収集を行い、今後、生物多様性を含む自然資本に関するリスクと機会の評価を進めていく予定です。
サプライチェーンマネジメント
環境保全を通じた生物多様性の取り組みとして、2023年から活動を行ってきた大阪府茨木市の鉢伏山13haのフィールドにおいて、環境省自然共生サイトへの登録に向けた生態系調査と保全計画の策定に着手しました。その結果、植物種221種をはじめ、環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ種、大阪府絶滅危惧Ⅰ種を確認するなど生物多様性の高い環境であることがわかりました。今後、保全活動に加え、定期的な生態系モニタリングを通じ、地域の生物多様性保全に貢献していきます。さらに、2025年2月に認証を受けた「おおさか生物多様性応援宣言」と連携し、これらの取り組みをより強化していく予定です。

一般財団法人 BOTANIST財団の設立
多様な植生環境を守り、植物と共に生きる環境を広く社会に浸透させることを目的として、2023年にBOTANIST財団を設立しました。本財団は、環境保全のための活動及び助成事業を通じて、人々の環境への理解を深め、意識の向上を図ることを主な取り組みとしています。これらを通じて、人と植物がいつまでも共に生きられる持続可能な社会の実現を目指してまいります。
https://botanistfoundation.jp/

BOTANISTの森
2021年から森林保全団体のmore treesと協働で、北海道美幌町(びほろちょう)にて「BOTANISTの森」づくりを開始しました。カラマツの伐採跡地にBOTANIST商品のキー成分である白樺など複数の樹種を植林して、本来あるべき多様性のある森を再生する活動を行っています。2021年からこれまでに、計1万1000本の植林を実施しました。2022年からは地元の小学生にも種拾いや育苗などの森づくりに参加してもらい、地域での取り組みも進めています。
※BOTANISTの森は、一般財団法人BOTANIST財団の活動です。
https://sustainable.botanistofficial.com/protection/#forest

ソメイヨシノの保全活動
美しい日本のサクラを未来に残すために、日本さくらの会を通じて、スプリングシリーズの売り上げの一部を寄付し、ソメイヨシノの保全活動を支援しています。
※ソメイヨシノの保全活動は、一般財団法人BOTANIST財団の活動です。
https://sustainable.botanistofficial.com/protection/#forest
植物資源の循環「BOTANIST白樺ファーム」
新たな植物資源の循環プロジェクトとして、白樺原料用農場「BOTANIST白樺ファーム」を北海道中川郡美深町に開設しました。BOTANISTの地肌ケアのキー成分となるのが、北海道の白樺から採れる白樺樹液と白樺発酵エキスです。当プロジェクトは、BOTANIST(シャンプー・トリートメント)で白樺樹液を使用した分の白樺の苗木を植え、育て、そこからまた樹液を採取して使用していくという循環サイクルを目指した取り組みです。
取り組み詳細はこちら
商品における取り組み
パッケージの環境対応
製品容器には再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックや再生PETなど、環境に配慮した素材を幅広く取り入れています。これにより、石油由来のバージンプラスチックの使用量を削減し、原料となる植物の生育時のCO₂吸収、焼却時のCO₂排出量削減を通じて、ライフサイクル全体でのCO₂排出量の低減に貢献しています。BOTANISTシリーズをはじめ、当社の多くのブランドでは、環境に配慮した取り組みを進めており、容器ラベルのインクには環境負荷の少ない植物由来のバイオマスインキ、アテンションシールに使用済みペットボトルから作られた再生PETを採用するなど、細部にまで環境負荷の低減を意識しています。2024年には、製品容器に使用するプラスチック総量におけるバージンプラスチック以外のプラスチック使用割合が32.4%に達しました。
さらに、2024年には株式会社BEAUTYCLEが発足した業界初の「生産ロスZEROプロジェクト」に参画しました。このプロジェクトでは、化粧品やトイレタリー容器の生産過程で発生する約20トンの廃棄予定在庫を回収して再資源化し、CO₂削減を目指します。
今後も環境負荷の低減と持続可能な製品開発に一層取り組み、最新技術と環境に配慮した素材の積極的な採用を通じて、環境保護と資源の有効活用をさらに推進していきます。

小型家電回収の取り組み
小型家電は適切にリサイクル処理を行うことで、回収量の92%を再生利用できる魅力的な資源です。当社の美容家電ブランド「SALONIA」では、使わなくなった小型家電を次の資源に活かすサーキュラーエコノミー型プロジェクト「SALONIA RECYCLEBOX PROJECT」を小型家電リサイクル認定業者のリネットジャパンリサイクル株式会社と連携して開始し、アウトレット店舗での回収を行っています。また、2024年にはWEBで申込み、手持ちの段ボールに梱包して発送するだけで簡単にできる小型家電リサイクル回収「SALONIA ✕ ReNet Beauty Cycle Project」を開始し、186kgを回収することができました。今後も小型家電回収の取り組みを推進していきます。
SALONIA RECYCLEBOX PROJECT

再生紙や認証紙の使用
商品の外箱、化粧箱、段ボール、セット用の資材などの紙は、再生紙もしくは適切に管理された森林から作られた環境に配慮された認証紙を使用しています。

アップサイクル原料の活用
捨てられるはずだった廃棄物や不用品を新しい製品にアップグレードする「アップサイクル原料」を様々な商品に活用しています。
商品 | アップサイクル原料 |
---|---|
BOTANIST 2024夏限定商品 「フレグランスコレクションシリーズ アイスピーチティーの香り」 |
白桃の生産過程において、間引き、廃棄されてしまう実と葉を活用した国産ピーチ1を活用 |
BOTANIST 2024秋限定商品 「フレグランスコレクションシリーズ キンモクセイ&フィグの香り」 |
日持ちしにくく、流通に制限のあるイチヂク果実2を化粧品原料として利用し、廃棄を軽減 |
BOTANIST 2025春限定商品 「フレグランスコレクションシリーズ サクラ&チェリーの香り」 |
街路樹の枝の剪定時に出るソメイヨシノの葉を活用したソメイヨシノ発酵エキス3、出荷されずに廃棄されることが多いさくらんぼの受粉樹の実を活用したチェリーエキス4を配合 |
YOLU 2025春限定商品 「サクラナイトシリーズ」 |
さくらリキュールを製造する際に出る残渣を用いて抽出したサクラエキス5を配合 |
DROAS 2024夏限定商品 「クールクレイヘアケアシリーズ」 |
松の木から紙製品を製造する際に出る残渣を用いて抽出したメントール(清涼剤)を配合 |
1 モモ葉エキス、モモ果汁(すべて保湿成分)
2 シゾサッカロミセス/イチジク果実発酵液(保湿成分)
3 アスペルギルス/ソメイヨシノ葉発酵エキス(保湿成分)
4 セイヨウミザクラ果実エキス(保湿成分
5 オオヤマザクラ果実エキス(保湿成分)
原料の透明性
当社は、「原料の透明化」をサステナビリティ目標として掲げ、主要ブランドの植物由来原料について、原産国の特定とリスク評価を進めています。現在の進捗状況としては、主要ブランド(BOTANIST、YOLU)で使用している植物由来成分延べ700原料について原産国の調査が完了しました。そのうち、原産国が特定できた植物由来成分は44.7%で、残りについては、複雑なサプライチェーンのため、引き続き調査を進めています。
また、リスクに関しては、サプライチェーン全体における人権・環境リスクの最小化を目指して、サプライヤーアセスメントを行っています。全てのサプライヤーに「I-neグループ サプライヤー行動規範」への同意確認を依頼し、I-neグループの人権や環境、企業倫理に対する考え方をお伝えした上で取引を行っています。また、重要サプライヤーに関しては、Sedexなどの自己評価アンケート(以下、SAQ:Self-Assessment Questionnaireと記載)の回答結果から、改善が必要な場合はサプライヤーと対話を行い、改善要望を行ってまいります。
サプライチェーンマネジメント
廃棄物に関する取り組み
アウトレット店舗展開などによる再販可能な商品廃棄の削減
マテリアリティ目標である「再販可能な商品の再販率100%」の達成に向けて、品質に問題がないにもかかわらず、商習慣などの理由で販売できなくなってしまう商品(シーズンオフやリニューアル前の製品など)を特別価格で提供するアウトレット店舗「BOTANIST Factory」を運営しています。これにより、販売可能な商品の廃棄ゼロを目指すとともに、より多くのお客様に商品をお届けすることができます。さらに、2024年には取り組みを拡大し、複数のブランドを組み合わせた期間限定のデュアルブランドショップを開設しました。ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」とミニマル美容家電ブランド「SALONIA」のコラボレーションによる「BOTANIST Factory SALONIA DEPOT」、また「BOTANIST」とI-ne美容アイテムのセレクトショップ「and Habit」のコラボレーションによる「BOTANIST Factory / and Habit」をオープンしました。これらの取り組みを通じて、当社は商品の価値を最大限に活用し、資源の無駄を減らすとともに、お客様により多くの選択肢を提供しています。
店舗一覧
社内におけるリサイクルの取り組み
I-neでは社内から出る廃棄物の削減に取り組んでいます。
事業所から出るリサイクル可能なゴミを「ゴミ」ではなく「資源」と考え、ペットボトルキャップ、ペットボトルラベル、クリアファイルなど、備品の分別と回収を促進しています。また、不用になったコピー用紙をアップサイクルするサービス「PELP!」を導入し、社内にて発生した古紙の再生紙化を行っています。回収した古紙は、社員の名刺のほか、社用封筒・紙袋といったオフィス用品に再生し、資源循環の促進を行っています。
今後も、環境負荷の低減と資源の有効活用を目指し、オフィス内でのサーキュラーエコノミーの実現に向けて取り組みを続けていきます。
PELPについて
オフィス内での資源回収量
資源の種類 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
古紙 | 2859.7 | 3815.4 | 5029.4 |
プラスチック類* | 未算定 | 35.1 | 109.2 |
* 2023年6月から計測を開始