「アジアのプロ商売人」 I-ne海外事業責任者のキャリア観に迫ってみた

BD事業部の林です。こんにちは。
今回は、I-ne海外事業責任者の井垣さんにインタビューさせて頂きました!

コツコツと努力を重ねてこられた井垣さんのキャリア観、そしてその礎となる強烈な原体験についてお話いただいてます。


井垣 純

海外事業の売り上げを最大化させることをミッションに、海外全般の戦略策定、各国での代理店開拓、現地オペレーションのマネジメント等海外事業全般に注力している。
前職:香港系コンサルティングファーム、日系コンサルティングファーム。

I-neの“アジアのプロ商売人”

林: 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、井垣さんはなぜI-neに転職したのですか?これまでの経歴などと合わせて話していただけたら有り難いです。

井垣: 新卒で香港のコンサルティングファームに入り、日本企業の進出支援事業を行っていました。アジア各国を飛び回って成功する日本企業を見て、支援という形ではなく、自分で責任を持って海外事業に挑戦してみたい、と考えたからです。

入社当時、これから海外事業を作り上げていこうというフェーズにあったI-neは、僕が大学時代から描いていた“どうしても成し遂げたい大きな夢”にとって、打って付けのフィールドでしたね。

「アジア圏で日本のモノを売るプロフェッショナルになる」

これは大学時代に香港留学を経験したときから自らの大きな命題であり、“日本企業の海外進出を成功させるプロフェッショナル”になろうと、当時からずっと思っていました。

『留学中、日本語を話してたら街でいきなりぶたれたんですよ(笑)』

なぜ「アジア圏で日本のモノを売る」と考えるようになったのですか?

井垣: 僕が香港に留学した当時は、尖閣問題の最中にあり、中国や香港と日本の関係が非常に冷え込んでいるタイミングだったんです。

やっぱりそういうときは反日感情が高ぶって、学校などでも日本人に対して日常的な当たりもかなり強くなったりしていて。授業で日本の話になると生徒が一部出て行ってしまうとか。

井垣02
※あっけらかんと話す井垣さん

えっ、そんなことが・・・なかなか考えられませんね。

井垣: そんな折、日本人の友人と日本語で話しながら街を歩いていたら、前から中国の方が歩いてきて、

「Are you Japanese ?」

と言ってきたわけです。

で、僕が「Yes.」って答えたらまさかのバーン!って、いきなり顔をぶたれたんですよ(笑)今では笑い話ですけど、当時はこれがとてもショッキングな出来事で。

いやいや、あまり笑えないですよ(苦笑)しかしムチャクチャですね・・・。

井垣: 自分の国籍が理由でそのような対応をされるというのは、日本国内では中々まず経験しないことですからね。

でもそれから少し経った頃に、中国人観光客の爆買いが始まって。
そこで色々と話を聞いていると、中国から見た日本の印象も、日本から見た中国の印象も、どうやら以前よりは回復しているように見えたんです。

日本では味わえない今に続く原体験

それも何かご自身にとって思い当たるような体験があったのでしょうか?

井垣: 当時は先ほどのエピソードにもあったように、日中関係の悪化によって双方の国民感情が妙な動き方をしていた時期で、日本人は「中国人が嫌い」と平気で言うし、逆も然りの状態だったんです。

でもそんな当時、僕はちょうど香港にいました。もちろん中国人の良い友人も周りにたくさんいる状況で、そんな友人たちのことを只の偏見で悪く言われることは本当に納得がいかなくて。

そういったお互いを悪く言う人たちに「日本に行ったことある?」「中国に行ったことある?」と聞いたら、ほとんどの人が「ない」って答えるんですよ。これでは当然、納得がいくわけがありません。

よく知らずに言っているだけでは説得力がないですよね。

井垣: しかしその数年後に、いわゆる「爆買い現象」が起こって、恐らく初めて日本に行った中国の方が大量に発生しました。

当時、日本を嫌う発言をしていた中国人の友人も正にその一人だったのですが、渡航後に「日本はどうだった?」と聞くと「最高だよ!」と答えたんですよ(笑)以前に言うてたことと全然違うやん、って(笑)

見事な手のひら返し!(笑)

そんな経験があって、国際問題の根本は「お互いの理解不足」なのかもしれない、と考えるようになりました。そして、これって色んな形で解決出来る方法があるのではないか、とも。

僕はそれを「商流の力で変えてみたい」と思うに至ったわけです。

そういう活動を続けて、自分が経験したような、自分の国籍や国際関係が原因で辛い思いをする人がいなくなれば素敵なことだなと。

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中国人の行動を突き詰めるきっかけに

とても素敵です!それらが井垣さんの考えやキャリア形成の根底にあるんですね。

井垣: そうですね、いま話している一連の流れが僕の中ではとても大きく影響しています。

そうした考えに至って、中国人観光客が日本で消費財を大量購入するという動き、あらためてその根本を突き詰めて考えました。
僕はそこで経済、特に物流によって双方の理解不足が埋まって、国際関係が改善されたという見方も出来るのではないかと思ったのです。

今後またグローバル化がさらに進んで日本製品が海外に出たとき、その製品が現地の人々にとって初めて触れる日本かもしれない。
そして、その製品やサービスに良い印象をもってもらえたなら、それはとても素晴らしいことだなと。

日本の製品や会社が、現地でより良いビジネスができ、同時に日本との国際関係も良くできるような「日本企業の海外進出を成功させるプロフェッショナル」になりたいと、心から思っています。

井垣さんが思うプロフェッショナルとは、具体的にいうとどんな人材ですか?

井垣: 各地のローカルに、本当の意味で入り込める人材だと感じています。

例えば、アジア圏では華僑と呼ばれる中華系の方たちが暮らしているのですが、彼らがビジネス面でとても強い影響力を持つコミュニティがあったりします。

日本から短期間の出張ベースで現地に行ってビジネスをしているだけでは、正直まったく太刀打ち出来ないような環境が海外にはたくさんあります。そういった日本企業と海外を橋渡し出来る、日本人の枠を超えて現地に入り込んでいける「和僑」のような、そんなプロフェッショナルとよべる人材になりたいですね。

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大学時代の夢と現在

大学時代に考えていた夢を、そのまま行動に移しているように見える井垣さんですが、ご自身では思い描いていた大人になっていると思いますか?

井垣: うーん、それは難しい質問ですね(笑)

自分では正直分かりませんが・・・スーツケースを持って空港で走り回っている姿は思い描いていた通りです!
とにかく今は、BOTANISTをはじめとしたI-neのブランドが、世界各国に受け入れられるように全力を尽くしきるのみですね。

さらなる活躍を期待しています!本日はありがとうございました!

※今後そんな井垣さんの海外での活動を連載する予定もありますので、こちらはcoming soonでお楽しみに◎