一度退職した会社に再度入社する理由。メンバーの本音。
一度退職した会社に再度入社する理由。メンバーの本音。
I-neには、さまざまな理由で一度は退職したものの、それぞれキャリアを積み重ねた上で再び入社し活躍する、アルムナイ採用のスタッフも少なくありません。ここでは、実際にアルムナイ採用で入社した3名が登場。退職から再入社に至る経緯、再入社したからこそ見えたこと、実現できていることなどを聞きました。
※所属、役割は取材当時のものです。
APAC戦略&Endeavour室 APAC戦略チーム
福島 岳
2015年に入社以降、約7年半にわたって中国ECのマネージャーからグローバル担当まで幅広く経験し、2022年に退職。他社でグローバルEC運営に携わった後、2024年に再入社した。現在は、グローバルビジネスの組織を再構築したAPAC戦略チームにて、再度グローバル担当として挑戦中。
APAC戦略&Endeavour室 Endeavourチーム
原田 麻美子
2016年入社。当時20代にして広報・PR領域をリードするマネージャーとして活躍、約2年半在籍し2018年に退職した。その後、他社でマーケティングやブランドマネジメントを経験し、2024年に再入社。現在はEndeavourチームに所属し、子会社D2C事業のブランドマネージャーを務める。
ビューティーケア事業本部 マーケットストラテジー&ディベロップメント部(ビューティー) 事業戦略課
田口 正美
2017年、商品開発担当として入社。入社直後から2年弱、新商品の開発~上市を次々と実現し、2019年に退職した。以降、結婚・出産などを経て、2023年に再入社。現在は新設されたマーケットストラテジー&デベロップ部にて、準社員かつ時短勤務の中、事業戦略のためのアナリストとして奮闘中。
一度目のI-neへの入社動機と仕事内容
――まずはそれぞれ、最初にI-neに入社した際のことを教えてください。
田口
私は元々、新卒で美容の総合化粧品会社に入社し、百貨店での美容部員からプロモーション担当を経て、商品開発を行っていました。そこでは、先輩から業務を引き継いで3年過ぎても商品が上市できないことに焦りや物足りなさを感じ、転職を決意。I-neへ入社しました。
福島
私は中国の広告代理店に勤務し、現地で行うプロモーションイベントなどを仕切っていました。その後、日本に戻って中国市場開拓コンサルの会社に移り、さまざまな日本企業の中国進出をサポート。そこからエージェントの紹介で、事業会社のI-neへ転職しました。
原田
私は新卒でレコード会社に入社し、宣伝の仕事をしていました。自分の好きな音楽を世に出したいという思いでしたが、実際は思うような仕事ができない上に、激務や家庭の事情も重なり、もう地元(大阪)に帰ろうと。転職活動を始め、エージェントに紹介されたのがI-neでした。
――I-neに入社後は、どのような仕事を担当したのですか?
田口
2017年9月にI-neに入社して、BOTANISTの商品開発を担当しました。始めはシャンプーやトリートメントの香り替えやセット商品、その後クレンジングや洗顔など新しくできたスキンケアラインの商品開発を担当しました。
当時はI-ne全体が色々なことに挑戦していこうと、新しいカテゴリやブランドを次々と立ち上げて、どんどん新商品を発売していた時代。前職とのスピード感の違いに圧倒される日々でした。
福島
私が入社した2015年6月は、まだI-neは海外事業を本格的に行っておらず、これからだというタイミング。最初はブランディング部に配属されて、展示会やブランドSNSの中国語版の運用などを担当していました。
その後、新たに立ち上げられた中国EC部へ移り、本格的に海外事業へと携わることになりました。ただ、社内にノウハウはありませんし、専属のメンバーは私一人。誰も正解が分からず、悩みも共有できません。そんな中で月に一度は中国を中心に海外を訪れ、現地の代理店をひたすら訪問するなど手探り状態のスタートでした。
原田
私は2016年2月、広報部署の立ち上げ要員としてI-neに入社しました。それで私も最初ブランディング部に配属されたと思ったら、福島さんが隣の席にいて、メンターですと挨拶されたのが初対面。そしたら、一週間後ぐらいに「来月、会社の創立十周年パーティがあるから、それを仕切って」と言われて……。
福島
丸投げした(笑)。
原田
そう、丸投げされて。衝撃的なスタートでした。
なぜ、I-neを退職したのか
――皆さんそれぞれに奮闘していたようですが、そこから退職に至るまでには何があったのですか?
田口
スピード感があるのは良いのですが、それを求めるあまり、十分に思える根拠も無しに進んでいくようなところがあって。流行りや競合を意識して次々新商品を発売する中、私自身はあまり納得して商品開発ができていないな、と感じるようになりました。
――何か違うな、と?
田口
はい。私は根拠を持って一つずつステップを積み重ねていく開発を理想としていました。自分が重視する過程や商品開発と、会社に求められているものとの乖離があるなと感じはじめ、自分が大切にしたい部分を会社は必要としていないと思うようになってしまいました。そのうちに結婚が決まったこともあり、2019年5月、退職を決意しました。
福島
2018年頃は会社全体がカオスだったけど、それを楽しんでいた感じですね。2020年9月の上場を機に社内がどんどん複雑化していくという……。
私が辞めた理由は、勝手に自分で自分を追い込んだから。これに尽きます。
――プレッシャーや責任感に押しつぶされた?
福島
誰かにプレッシャーをかけられたのではなく、自分で勝手につぶれたんです。一人でイチから始めて、次第に仲間は増えていきました。けれど、立ち上げからずっとやってきたのは自分だから、上手くいかないことは全部自分が何とかしなければと抱え込んで、空回りして。自分はダメな人間だと思い、辛くなっていったんです。
一方で、次第に自分の役割がグローバル自体の枠組みや戦略を考えることになっていく中、もう一度最前線でやりたいという思いもありました。それで、2022年末に退職しました。
原田
私も一人で広報部署の立ち上げを担って、そこから次第にメンバーも増えて、二十代後半で役職に就いたんです。そうなると、自分が前線に出て動くのではなく、完全にメンバーの管理・マネジメントが仕事になる。まだ二十代なのにすでにそういう状況で、自分としては違和感がありました。
あとはもう一つ、キャリアチェンジをしたいというのもありました。私はそもそも、広報・PRの仕事をしたかったわけではなくて。
――そうなんですか!?
原田
前職でも本当はプロデューサーのような仕事がしたかったのですが、宣伝担当になって。それでI-neにも広報担当として入社しましたが、正直このまま広報でキャリアを築く気はなかったんです。
だから、ブランドマネージャーになりたいと思っていたのですが、当時は自分が組織をマネジメントする状況を打破できず、なかなか異動の制度も公式には無くて。異動希望先のマネージャーに相談したところ、「3年ぐらい経って落ち着いたらできるかも」と言われたのですが、「待っていられない!」と、2018年9月に退職しました。
退職から再入社までのストーリー
――I-neを退職した後は、どのように過ごしていたのですか?
田口
私は結婚して、子どもが生まれて、家事と育児の日々でした。
福島
私はグローバルEC運営会社に転職し、日本の商品を取り扱う中国のECサイト運営を担当しました。I-neの退職時に希望していた通り、最前線の仕事に戻った形です。
原田
私はプロバスケチームのマーケティング職を経験した後、美容系のD2Cブランドを運営する企業に転職。広報部署の立ち上げと、念願のブランドマネージャーを兼務しました。
――それぞれ充実ぶりが想像できますが、そこからなぜI-neに再入社を?
田口
私はもう一度社会との接点を持ちたいと思ったからです。子育てがあるため限られた時間内でコミットできることはマストに、商品開発に関わる仕事や得意としていた調査回りの仕事ができないか、色々と探しました。
そうしたら、ある求人サイトで匿名ながら、I-neっぽい会社がその職種を募集しているのを見つけ、興味を持って。
――そこから応募したのですか?
田口
いえ、一度辞めた会社ですし、すぐに応募した訳ではなく、以前の上司に久しぶりに連絡を取りました。私が辞めた当時にはなかった部署だったので、「一度話を聞かせていただけませんか」と。その後は面談を通じて、今は商品開発の過程で調査を行っていること、そのための調査専門の部署もできたことを知ってポジティブな印象を受けましたし、私の希望とマッチしているなと。準社員という働き方も自分にFITしてて、子育てと両立できると思えたので「ぜひ挑戦したい!」と再入社を決めました。
福島
私の場合は、退職後もよくI-neの昔の仲間と飲みに行き、近況報告会みたいなことをしていました。皆、私が抱え込み過ぎて働く癖があることを心配してくれていたんですよね。だから、「大丈夫、元気にやってるよ」なんて話していたら、ある時その場に居合わせた人に「福島さん、ワンチャン戻って来れませんか?」と言われて。
田口、原田
ワンチャン(笑)。
福島
そう。で、それもアリかなと。そもそもI-neが嫌いになって辞めたわけではなかったので。ただ、当時まだ退職して1年で、そんなに状況は変わらないのでは? という懸念もありました 。でもやっぱり、I-neの目指すところにはワクワクしたので、もう一度トライしたいと思いました。それから何度か面談を重ねる中で、また同じことにならないよう、お互い心配に思う部分をしっかりと話し合いました。私の強みであるグローバルビジネスへの熱量は冷めていなかったし、認めてもらえていたと思います。
それと、やはり結局のところは、I-neの人・考え方が好きだったので。「もう一度あの人たちと働きたい」と思えたのは大きかったですね。
原田
私はキャリアチェンジできたものの、前の会社はブランドをコツコツと、時間をかけて育てるスタンスで。数年経つと欲が出て、もっと大きな予算を持ち、一気にブランドを大きくしたいと思うようになったんです。
とは言え、良い転職先に出会えないなと思う中、色々と相談していた人からふと、「I-neに戻るという選択肢は?」と聞かれて、「そんなパターンあるんですか!?」と。
――それまでは考えたこともなかった?
原田
当時はアルムナイという言葉も知らず、戻るという概念がなかったです。でも確かに、I-neはスピード感があって、ブランドを一気に大きくする、それで駄目なら切り替えてまた次という戦略だったので、私の希望に近いなと気づいて。
そこから、私にも頻繁に会っているI-neメンバーがいたので、相談して人事につないでもらいました。
再入社して変わったこと、変わらないこと
――再入社して、望んでいた仕事、働き方ができていますか?
田口
はい。主に新商品のアイデアや試作品をモニターの方に評価いただく、ゲート調査を担当しています。改善していきたいポイントはまだまだたくさんありますが、理想の開発プロセスの一端を担い、納得感をもって働けていますね。
また、今は準社員で時短勤務なのですが、正社員じゃないからと言ってこの仕事はやってはいけないといった線引きは無くて。手を挙げれば、自分のコミットできる時間内でどんどんチャレンジさせてもらえることを嬉しく感じています。
原田
私も希望通り、ブランドマネージャーとして新規ブランドを担当しています。次々とスピード感を持って施策を実現できていますね。たくさん野望があるので、とてもワクワクしながら働いています。
福島
私は以前と同様にグローバルビジネスを担当しています。今はセールスではなく、営業企画の立場です。以前と違い、ある程度の業務範囲を決めて動いていますし、パンクしそうになった時はメンバーに相談できるようになりました。
――周りに頼れるようになったと。
福島
はい。あとは、自分と会社の適切な間合いを取れるようになりました。以前は悪い意味で盲目的になり、会社に入り込み過ぎてフラストレーションを抱えていましたが、今はもう少し客観的に。
原田
それは私も大共感!
田口
私もです! ある意味で自分本位というか冷静に、会社に求められていることと、それとは別に自分がすべきこと、できることが何かを考えています。以前は皆のカオス感の中で、自分の責任感が勝って、それに麻痺して、無茶をしてしまっていたのかも。
原田
一度外に出たことで、全体を俯瞰的に見られるようになったんですよね。夢中になって働くのと、沼にはまっていくのとは違うと。自分でコントロールできるようになったというか。
福島
そう。あと個人的には、周りに辛そうなメンバーがいたら気づいてサポートできるようになりました。以前は「数字をつくりたい」という一心に偏った利己的な面もありましたが、今はメンバーに対して偽善でもなく本気で「この人たちのために何ができるか?」を考えていて。皆の役に立てるかどうかという基準で業務にあたっています。
――再入社して、I-neのここが変わったと感じる部分はありますか?
原田
先ほどあったように、特に2018年頃は一気に人も増えてカオスだったので(笑)。随分変わったなと。
福島
あの頃って、会社の停滞期というか。どの方向に進むのか定まらない中で、物事がなかなか決まらないとか、逆に突然決まってしまったと感じることが多かったんです。
田口
確かに見ている方向がバラバラで、それぞれのやりたいことをやっていたような気がします。
福島
今は、会社はここに向かっているというミッション、バリューなどが定期的に示される。それを皆が理解して、納得して前進していると感じます。
――逆に、I-neのここは変わってないなという部分もありますか?
原田
スピード感もそうですが、メンバーの意識の高さですね。ダラッとせず、覇気がある。ここまで一人ひとりの意識が高い会社はないように思います。だから自分自身も高いモチベーションを維持できるし高め合える、良い環境です。
田口
私もI-neに集まる人の意識や考え方、仕事に対する姿勢は、昔も今も変わらないと感じます。だから私も今の仕事、働き方で、最大限コミットしていきたいです。
福島
経営陣や社員の志の高さは変わっていないですね。いや、むしろ増しているかもしれません。
そんな熱を感じながら、私はグローバルの事業を今一度盛り上げて、社内での存在感を高めていきたいです。
原田
私も、まずは任されているブランドをしっかりと成長させること。メンバーと協力して目標達成に向けて邁進したいと思います。
一度は退職したものの、再びI-neに戻った3人。その理由や経緯は三者三様ですが、いずれもアップデートを経て客観的にI-neを見つめながら動き、組織に新たな風を吹かせ、さらなる成長への一翼を担っています。